島田 清次郎 42006/02/13 00:00

「朝」

1

朝は水のない一輪挿

挿されたヨナアンの首の蒼白さ

飛行機の飛べる風景と

脂の匂ひする音波――

おおーイ

隣室の患者が救ひを求めてゐる。

2

自分は新聞を読んでゐる。

自分は世界を見てゐる。

自分は活字を睨んでゐる。

自分は茫漠とした灰色をみつめてゐる。