ブロークバック・マウンテン2006/03/18 00:00

期待以上の素晴らしさだった

ワイオミングの山。
真夏でも雪が降る、ヒトの手にかからない自然の荒ぶるエネルギー。
突き上げるような性と心の求め合い。

脇をしめる人々を淡々とうつす目。
監督がアメリカ人で無いからこそ描けたのかもしれない。

出演者が2割増に上手く撮れているんじゃないか、と友人が言っていたが
そうなのかもしれない。すべての役者が合格点以上。
とくにヒース・レッジャー演じる寡黙なイニスが秀逸だった。
まさに昔ながらのカウボーイといった彼だからこそ、
求めてやまない愛を否定しようとして否定できない苦しみが真に迫る。
吐いてしまうほどの胸の痛み、あのシーンは映画の白眉だ。

ジャック(ジェイク・ギレンホール)の両親の家をたずねた終盤は、
こうきたかっ、上手い!と感心する脚本だった。

落伍者、欠陥、出来損ない、、20年間ひきずってきた思いが洗われていく美しいラスト。
人生にとって「愛」はたからものだな
ほんもののたからものを見つけられた人は、99の不幸せも1の幸せで
帳消しになるのかもしれない。

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