哀れなネアンデルタール・ヒーロー2006/03/24 00:00

ヒロインが好戦的だったり、かたくなだったり、幼かったりすると、
目も当てられないのがこの手の本。

目をむしりださんばかりに、ののしりあっていたかと思うと、
近寄るやいなや、噛み付くようにキスをし、ボタンをはじき飛ばす勢いで
シャツを脱がしたりするが、ふいに「触らないで!」と叫んだりする。
おめぇが触ったんだろーが。とヒロインに言いたくなる読者は
わたし一人ではあるまい。

ネアンデルタール君は、愛とか信頼とか小ざかしいことをぐたぐた言わない。
ただひたすら、おまえが欲しい、忘れようとしても忘れられなかったんだぁと
憑かれたように繰り返し、本人は説得したつもりで迫るんだが、
本心がまったく相手に伝わらないというお約束(笑)。

こういうすがすがしいヒーローに限って、ぐたぐたと理屈をこねる女を
好きになるってのもお約束か。
ヒロインは、こちらが恥ずかしくなるほど鼻息荒く反応するくせに
いいえ、あなたはわたしを愛してないわ、と、赤面もせずに偉そうに言う。

かくしてネアンデルタール君は、原始のお約束、逃げる女を追いかけて
髪の毛つかんで結婚という洞窟へ(笑)。

「夏の忘れもの」「渚のデュエット」ジャネット・デイリー
「じゃじゃ馬娘」アンジェラ・ウェルズ
「かいま見た天国」リンダ・ターナー

どれもこれもヒロインがうっとくしくて、全く好きになれなかった。