For My Lady's Heart2007/08/20 00:00

ロマンスとしては、あまり面白くない。

Laura Kinsale のつくる物語は、波乱万丈でダイナミック、
実にヒストリカルなストーリー自体は面白い。

だが、ヒーローは、、アホなほど騎士で、いったい、かれはなぜ、これほどまでにヒロインに心をささげるのが、理解しがたい。

妄執というか、思い込み、というか、とにかく最初にお姫様ありき。
自分はこの方のためなら命を落とす覚悟です、という、ただただ、これだけのような気がしてならない。

一方のヒロインも、、自分が生き延びるのにはヒーローがいると便利。
sexも上手いし、一生懸命尽くしてくれるし、どこに文句があるっていうの、と言う感じ。

彼の命を助けるために、嫌いな男の妻になろうとするヒロイン。
だが、こういうことをしてたとえ命が助かっても、ヒーローは生涯、ヒロインに弄ばれ捨てられたという屈辱と失望のなかで生きなければならないわけで、よほど死んだほうがましだと思うのではないか。

結局、ヒロインを追いかけるヒーローは、殺されそうになるわけで、ヒロインは嘘をいって逃げても意味がなかったのである。

それならそうで、嫌いな男に向かって、あなたなんて嫌いなの、あなたと一緒になるくらいなら、愛するこの人と一緒に死ぬほうがまし、と向かってほしかったが、あくまで、あれは気が変な男で、つきまとわれて困ってるの、と言う始末。

建前はヒーローのため、だが、ヒロインは最後まで自分の手を汚さないのが気になった。

嫌な男が運命の不思議で死んでくれたおかげで、ヒーローはヒロインのところに行き、「やつは死んだんだ」と言って、めでたしめでたし、では納得いかない。