Carla Kelly 2009年1月に新作がでる ― 2008/09/01 00:00
Carla Kelly
Marrying the Captain (Harlequin Historical Series)
日本アマゾンに予約。
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書き忘れていた買った本 ― 2008/09/08 00:00
ずいぶん書き忘れがあった。
eBookで購入。
マイクロソフトリーダー形式。 DRMをはずしてhtml形式で保存しておけるので最近はMSリーダー形式を買うようにしている。
ハーレクイン Everlasting Love シリーズ2冊。
Holly Jacobs「The House on Briar Hill Road」
Ann DeFee「Summer After Summer」
スーパーロマンス1冊。
Holly Jacobs「Same Time Next Summer」
これは、ホリーがエヴァーラスティングのシリーズのつもりで書いたけれど、エヴァーラスティングシリーズが中止されたので、スーパーロマンスになったんじゃないかな。
3冊いずれも600円以下の本なので、献身的な愛なら癒され度満点なんじゃないか、と思って気楽に買ったんだが、、永遠に続く愛ってのが、ヒロインとヒーローを無理やり別れ別れで暮らさせた末の、、と同義語みたいで、少々いらついた。
邦訳で購入。
魔法の夜に囚われて/スーザン・キャロル
まだ読んでいない。
古本で購入。
カーラ・ケリー「Miss Grimsley's Oxford Career」(1992)
感想は別ページに書く。
カレン・ハーバー
「The Devil's Bargain 」
「The Vampire Viscount」
「Cupid's Kiss 」
最初の2冊は似たような構成。
自分の目的のために知的で素直な娘を利用しようとして、ミイラとりがミイラになる話。
Vampire のほうは期待したんだが、あまりにも定番なつくりでガッカリ。
悪女がでてきてヒーローを脅し、ヒーローはヒロインを守るためにヒロインに厭きたフリをする。。最後はいつもヒロインの活躍で腰抜けヒーローは助けられる(笑)。
eBookで購入。
マイクロソフトリーダー形式。 DRMをはずしてhtml形式で保存しておけるので最近はMSリーダー形式を買うようにしている。
ハーレクイン Everlasting Love シリーズ2冊。
Holly Jacobs「The House on Briar Hill Road」
Ann DeFee「Summer After Summer」
スーパーロマンス1冊。
Holly Jacobs「Same Time Next Summer」
これは、ホリーがエヴァーラスティングのシリーズのつもりで書いたけれど、エヴァーラスティングシリーズが中止されたので、スーパーロマンスになったんじゃないかな。
3冊いずれも600円以下の本なので、献身的な愛なら癒され度満点なんじゃないか、と思って気楽に買ったんだが、、永遠に続く愛ってのが、ヒロインとヒーローを無理やり別れ別れで暮らさせた末の、、と同義語みたいで、少々いらついた。
邦訳で購入。
魔法の夜に囚われて/スーザン・キャロル
まだ読んでいない。
古本で購入。
カーラ・ケリー「Miss Grimsley's Oxford Career」(1992)
感想は別ページに書く。
カレン・ハーバー
「The Devil's Bargain 」
「The Vampire Viscount」
「Cupid's Kiss 」
最初の2冊は似たような構成。
自分の目的のために知的で素直な娘を利用しようとして、ミイラとりがミイラになる話。
Vampire のほうは期待したんだが、あまりにも定番なつくりでガッカリ。
悪女がでてきてヒーローを脅し、ヒーローはヒロインを守るためにヒロインに厭きたフリをする。。最後はいつもヒロインの活躍で腰抜けヒーローは助けられる(笑)。
カーラ・ケリー 「Miss Grimsley's Oxford Career」 ― 2008/09/09 00:00
カーラ・ケリー「Miss Grimsley's Oxford Career」(1992)
カーラのなかではそれほど評価が高くないのを知っていたが、
つまらない本が続くと、カーラの本が読みたくなり、買ってしまった。
だが、やはり、「最高のきらめき」 は欠けていた。
話づくり、人物描写はとても上手いのだが、ヒロインが18歳のため、「これって愛なの? いや、こんなに腹がたったり、妙な気分になるのは愛じゃないわ。愛って素晴らしいものだとみんな言うもの」 なんて感じの独白が多くて、イライラしてしまった。
恋を知らない才気煥発な娘の恋の芽生えを捉える筆の達者なことは認めるけれど、わたしはそれをカーラに求めていないんだわね。
しかし、テーマはカーラらしい。
女が学問してどうするというのだ?
(ジェントリーの)女は、結婚する以外に何があるというのだ?
学校が嫌いでたまらないオバカな兄はオックスフォードに行き、
ひとつ上の姉はバロネットの息子と結婚が決まり、
学問好きのヒロインは、アメリカの首都がボストンだと生徒に教えるような教区牧師と結婚することを期待されている。
両親も兄弟も俗物だらけ。 なんとか父親を説得して入った学校は、刺繍と淑女のたしなみを教える学校だった・・
そんなとき兄にシェイクスピアのレポートを頼まれたヒロインは、、
若干はなしを詰め込みすぎた。
オックスフォード大学のことと、淑女学校のことと、ヒロインの家族のことがワラワラと入っていて、ヒーロー、ヒロインのロマンスに正直いって説得力がなかった。
ヒーローはヒロインに一目ぼれなのか? 最初から驚くほど献身的で、
一途である。
友情から愛へ、という感じがヒロインには十分納得できたが、ヒーローは最初からヒーローである、という位置づけで、愛の誕生を読者に納得させるものがなかった。
下層階級の女性にも教育を!
文字が読めるようになるレベルの教育を女性にしてあげたい、これはわかる。 低賃金の劣悪な労働を女性におしつけている、これは現代にも通ずる問題だ。
だがオックスフォードが女性の入学を阻んだ理由は、ジェントリー階級の女性に高学歴が無用だという「女の人生=結婚」 これだけではないように思う。
そもそもここで言う学問は道楽なんである。
道楽自体が男女に差があり、ジェントルマンはギャンブルを楽しむのが当然だが、淑女は当然賭場には行かないように、ジェントルマンは娼館に通うのが当然だが、女性は許されていないように、差があった。
実学は、もし利益を得るのだとしたら、それはジェントルマンがしてはいけない事だから、あくまでジェントルマンは趣味・余暇として学問をしているのである。
物語とは関係ないが、法学も、医学も、職業か趣味かで名称が違う。
雇われている法律家は solicitor というが、これはジェントルマンではない。 貴族がよく財産や相続やらの処理をお抱え弁護士にやらせるが、これがソリシターだ。
一方ジェントルマンは法学の有名な学校(リンカーンズ・イン、ミドル・テンプル、グレーズ・イン、インナー・テンプル)に行って barrister になる。 報酬なしで、裁判所で弁護をしたりする。
だからバリスターはSir である。
医者も、手術をするなど実用的な医者は surgeon と呼ばれ、ミスターである。 Doctor は道楽の領域で、サーだったり、ドクター○○だったりする。
大体、昔は薬草に詳しい村のおばあさんがいたりして、切ったり貼ったりしない内科医なんて必要なかったんだ。
話を元に戻すと、
女は愚かで脳みそが空っぽである、だから学問など無理だ、
女の人生は結婚して子供を生むことだ、だから学問など無用だ、
という当時の社会に対する怒りと悔しさはとてもよく分かるが、高等教育の門戸を女性に開くことと、オックスフォードという「女子禁制の道楽クラブ」に女性が入れるようになることは、ちょっと違うことなんじゃないかと思った。
カーラのなかではそれほど評価が高くないのを知っていたが、
つまらない本が続くと、カーラの本が読みたくなり、買ってしまった。
だが、やはり、「最高のきらめき」 は欠けていた。
話づくり、人物描写はとても上手いのだが、ヒロインが18歳のため、「これって愛なの? いや、こんなに腹がたったり、妙な気分になるのは愛じゃないわ。愛って素晴らしいものだとみんな言うもの」 なんて感じの独白が多くて、イライラしてしまった。
恋を知らない才気煥発な娘の恋の芽生えを捉える筆の達者なことは認めるけれど、わたしはそれをカーラに求めていないんだわね。
しかし、テーマはカーラらしい。
女が学問してどうするというのだ?
(ジェントリーの)女は、結婚する以外に何があるというのだ?
学校が嫌いでたまらないオバカな兄はオックスフォードに行き、
ひとつ上の姉はバロネットの息子と結婚が決まり、
学問好きのヒロインは、アメリカの首都がボストンだと生徒に教えるような教区牧師と結婚することを期待されている。
両親も兄弟も俗物だらけ。 なんとか父親を説得して入った学校は、刺繍と淑女のたしなみを教える学校だった・・
そんなとき兄にシェイクスピアのレポートを頼まれたヒロインは、、
若干はなしを詰め込みすぎた。
オックスフォード大学のことと、淑女学校のことと、ヒロインの家族のことがワラワラと入っていて、ヒーロー、ヒロインのロマンスに正直いって説得力がなかった。
ヒーローはヒロインに一目ぼれなのか? 最初から驚くほど献身的で、
一途である。
友情から愛へ、という感じがヒロインには十分納得できたが、ヒーローは最初からヒーローである、という位置づけで、愛の誕生を読者に納得させるものがなかった。
下層階級の女性にも教育を!
文字が読めるようになるレベルの教育を女性にしてあげたい、これはわかる。 低賃金の劣悪な労働を女性におしつけている、これは現代にも通ずる問題だ。
だがオックスフォードが女性の入学を阻んだ理由は、ジェントリー階級の女性に高学歴が無用だという「女の人生=結婚」 これだけではないように思う。
そもそもここで言う学問は道楽なんである。
道楽自体が男女に差があり、ジェントルマンはギャンブルを楽しむのが当然だが、淑女は当然賭場には行かないように、ジェントルマンは娼館に通うのが当然だが、女性は許されていないように、差があった。
実学は、もし利益を得るのだとしたら、それはジェントルマンがしてはいけない事だから、あくまでジェントルマンは趣味・余暇として学問をしているのである。
物語とは関係ないが、法学も、医学も、職業か趣味かで名称が違う。
雇われている法律家は solicitor というが、これはジェントルマンではない。 貴族がよく財産や相続やらの処理をお抱え弁護士にやらせるが、これがソリシターだ。
一方ジェントルマンは法学の有名な学校(リンカーンズ・イン、ミドル・テンプル、グレーズ・イン、インナー・テンプル)に行って barrister になる。 報酬なしで、裁判所で弁護をしたりする。
だからバリスターはSir である。
医者も、手術をするなど実用的な医者は surgeon と呼ばれ、ミスターである。 Doctor は道楽の領域で、サーだったり、ドクター○○だったりする。
大体、昔は薬草に詳しい村のおばあさんがいたりして、切ったり貼ったりしない内科医なんて必要なかったんだ。
話を元に戻すと、
女は愚かで脳みそが空っぽである、だから学問など無理だ、
女の人生は結婚して子供を生むことだ、だから学問など無用だ、
という当時の社会に対する怒りと悔しさはとてもよく分かるが、高等教育の門戸を女性に開くことと、オックスフォードという「女子禁制の道楽クラブ」に女性が入れるようになることは、ちょっと違うことなんじゃないかと思った。
Patricia Gaffney ― 2008/09/09 17:54
昔ヒストリカルロマンスを書いていたが、乳がんを患ってから?コンテンポラリに発表の場を移し、Womens novel を書いている。
人気は、ヒストリカルの方が高いようだが、比較する事でもない。
ふらっとネットをまわっていて、目に留まった名前だが、FictionDBで調べてみると、驚いた!
Wyckerley trilogy という3冊があり、これがすべて
AARでA FictionDBで5つ星なのだ。
舞台はビクトリア朝
To Love & to Cherish (1995)
To Have & to Hold (1995)
Forever & Ever (1996)
急いでググッテみても、日本では彼女のヒストリカルの情報は見つからなくて、読んだ人がいるのかどうか不明。
他に人気、評価ともに高いのが「Crooked Hearts」 (1994)
これは詐欺師の男と女の物語、アメリカンヒストリカル。
いつもeBookを買っているfictionwiseに行ってみると、コンテンポラリはあるが、ヒストリカルは「Wild at Heart」しか電子ブック化されていなかった。
Wild at Heart は、アメリカンヒストリカルで、1900年代初頭だったかな。
アラスカだかカナダだか狼に育てられた男が発見され、学者が研究材料として動物扱いをする。
ヒロインは学者の娘だそうだ。
とても心温まり、ヒーローの本質的な知性に癒されるらしい。
AARでB+ FictionDBで4つ星
海外のブログなどをざざっとみると、ひきあいに出していたのが、自分の好きではない作家だったりして、おおいに悩む。
あの作家と似てるんじゃ、好きになれないかも、、
とりあえずeBookでワイルドアットハートを読んでみて、感触をつかんでみよう。
人気は、ヒストリカルの方が高いようだが、比較する事でもない。
ふらっとネットをまわっていて、目に留まった名前だが、FictionDBで調べてみると、驚いた!
Wyckerley trilogy という3冊があり、これがすべて
AARでA FictionDBで5つ星なのだ。
舞台はビクトリア朝
To Love & to Cherish (1995)
To Have & to Hold (1995)
Forever & Ever (1996)
急いでググッテみても、日本では彼女のヒストリカルの情報は見つからなくて、読んだ人がいるのかどうか不明。
他に人気、評価ともに高いのが「Crooked Hearts」 (1994)
これは詐欺師の男と女の物語、アメリカンヒストリカル。
いつもeBookを買っているfictionwiseに行ってみると、コンテンポラリはあるが、ヒストリカルは「Wild at Heart」しか電子ブック化されていなかった。
Wild at Heart は、アメリカンヒストリカルで、1900年代初頭だったかな。
アラスカだかカナダだか狼に育てられた男が発見され、学者が研究材料として動物扱いをする。
ヒロインは学者の娘だそうだ。
とても心温まり、ヒーローの本質的な知性に癒されるらしい。
AARでB+ FictionDBで4つ星
海外のブログなどをざざっとみると、ひきあいに出していたのが、自分の好きではない作家だったりして、おおいに悩む。
あの作家と似てるんじゃ、好きになれないかも、、
とりあえずeBookでワイルドアットハートを読んでみて、感触をつかんでみよう。
カウボーイと羊飼いの対立、 大牧場主と自作農の対立 ― 2008/09/13 00:00
Penelope Williamson 「The Outsider」 を読み始めてから調べたこと。
Plain People を追い出しに計る大牧場主(バロンと呼ばれる)。
バロンが牛泥棒調査員として雇った残酷なガンマン。
自分の土地に迷い込んだ牛を返そうと連れていき、「牛泥棒」として縛り首になったヒロインの夫。
(プレイン・ピープルは恐らくアーミッシュ。ヒロイン、ヨーダーという姓はアーミッシュに多い。ドイツ語をしゃべる)
この話には多くの対立がある。
羊飼いとカウボーイの感情的対立、
アーミッシュと町の人間の感情的対立
自作農と大牧場主の対立
西部劇やウエスタンによく出てくるシチュエーション。
そもそも羊は草の根元まで食べるので土地を荒らすとして、牛飼いに嫌われていたが、実際は同量の肉を生産するのに一番エネルギーを消費するのは牛だという。(ブリと鰯のようなものか?)
一般に羊は牛より劣悪な環境でも飼育でき、やせた土地に移住してきた者は牧羊を営む。
カウボーイが羊飼いを嫌うのには感情的な嫌悪以外に、歴史的な背景があった。
それはリンカーン大統領が1862年にだした「ホームステッド法」である。
160エーカーの区画の土地を無償で払い下げるというもので、
申請時に 21 歳以上で、当該区画を確立し、12 フィート x 14 フィート(3.6 x 4.3 メートル)以上の大きさを持つ住居を建てた上で最低 5 年間は農業を行ったという実績を必要とするが、この条件を満たせば誰でも土地が所有できる。
それまで土地の境界など意識していなかった牧場主にとって、あとから移ってきて土地所有権を主張した移民農民たちは非常に腹がたつ存在なのである。
小規模の羊飼いや牛飼いたちは、大牧場主にとって邪魔な存在だった。
1892年、ワイオミングのジョンソン郡で、牛牧場と東欧からの移民してきた農民との対立から、自作農虐殺事件が起きた。
牧畜男爵(Cattle Baron)と呼ばれる大地主、大牧場主連合は、見せしめのために何人かの開拓部落民を馬泥棒、牛泥棒として縛り首にして吊るし、自称牛泥棒捜査隊として、重装備のガンマンをテキサスから50人近く雇い入れていた。
テキサスガンマンを統率したのはジョンソン郡でスコットランド人所有のVR牧場の支配人を勤めていた元U.S.マーシャル、フランク ウオルコット(Frank Wolcott)だった。フランクは名誉欲が異常に強いだけ無く、自分の利益のためなら、どんな嘘でもつくような人物だったという。
大牧場主連合が作成した抹消者リストは70名にも及び、なかには自作農寄りの保安官や議員まで含まれていた。
時の大統領が騎兵隊を送るまでになった虐殺事件は、一旦ワイオミング州の裁判の場に持ち込まれたが、裁判の場では、圧倒的なお金と政治的力を持つ大地主連合に対し、自作農側に勝ち目はなく、逮捕されたガンマンたちは全員釈放された。
もうひとつ、有名な「羊飼いとカウボーイの対立」がある。
Pleasant Valley War として知られる争いは10年以上も続いた。
水場をはさんで、牛を飼う Graham家と羊を飼う Tewksbury家。
Tom Horn (トム・ホーン 凄腕のガンマンとして有名)を雇われたと言われているが、どちら側が雇ったか定かではない。
憎しみあっている両家の間で少なくとも20人は殺害されているという。
この争いに終止符を打ったのは、名保安官として名高いCommodore Perry Owens だった。
-----------------------
映画から
「天国の門」
原題 HEAVEN’S GATE「1980」
アメリカの一つの恥部と言われているジョンソン郡事件を農民側から描いている。
「ローハイド」
ある時、カウボーイ達は羊の群れを蹴ちらかし意気洋々としていたが、数時聞も経たないのに元の群れに戻ってしまう。悔しがるカウボーイ達。
「縄張り」 The Sheepman
アメリカ 1958年 86分
牛の牧畜がさかんな西部の町で、羊を飼おうとする男ジェイソンが巻き起こす騒動を描く、明るく軽快なウェスタン。
「テキサスの月」
牛飼いと羊飼いの二つの農場の対立を治めようと、腕利きのカウボーイが大活躍する。
「モンタナ」
50年アメリカ。羊飼い一家(エロール・フリン)がモンタナに移住するが、先に住んでいた牛飼い達(アレクシス・スミス)は彼らを嫌って追い出そうと乱暴をはたらく。
「夕陽の対決」(1969)
川の水をめぐって牧童と羊飼いが激しく対立する町に、一人のガンマンが現われた。彼は町に臨時の教会を設置し、暴力から人々を守ることを宣言する。それを知った牧場主は、男に対抗するため殺し屋を呼び寄せた……。平和のために尽力する男の活躍を描いたウェスタン。
映画「シェーン」もジョンソン郡事件を元にしている。
Plain People を追い出しに計る大牧場主(バロンと呼ばれる)。
バロンが牛泥棒調査員として雇った残酷なガンマン。
自分の土地に迷い込んだ牛を返そうと連れていき、「牛泥棒」として縛り首になったヒロインの夫。
(プレイン・ピープルは恐らくアーミッシュ。ヒロイン、ヨーダーという姓はアーミッシュに多い。ドイツ語をしゃべる)
この話には多くの対立がある。
羊飼いとカウボーイの感情的対立、
アーミッシュと町の人間の感情的対立
自作農と大牧場主の対立
西部劇やウエスタンによく出てくるシチュエーション。
そもそも羊は草の根元まで食べるので土地を荒らすとして、牛飼いに嫌われていたが、実際は同量の肉を生産するのに一番エネルギーを消費するのは牛だという。(ブリと鰯のようなものか?)
一般に羊は牛より劣悪な環境でも飼育でき、やせた土地に移住してきた者は牧羊を営む。
カウボーイが羊飼いを嫌うのには感情的な嫌悪以外に、歴史的な背景があった。
それはリンカーン大統領が1862年にだした「ホームステッド法」である。
160エーカーの区画の土地を無償で払い下げるというもので、
申請時に 21 歳以上で、当該区画を確立し、12 フィート x 14 フィート(3.6 x 4.3 メートル)以上の大きさを持つ住居を建てた上で最低 5 年間は農業を行ったという実績を必要とするが、この条件を満たせば誰でも土地が所有できる。
それまで土地の境界など意識していなかった牧場主にとって、あとから移ってきて土地所有権を主張した移民農民たちは非常に腹がたつ存在なのである。
小規模の羊飼いや牛飼いたちは、大牧場主にとって邪魔な存在だった。
1892年、ワイオミングのジョンソン郡で、牛牧場と東欧からの移民してきた農民との対立から、自作農虐殺事件が起きた。
牧畜男爵(Cattle Baron)と呼ばれる大地主、大牧場主連合は、見せしめのために何人かの開拓部落民を馬泥棒、牛泥棒として縛り首にして吊るし、自称牛泥棒捜査隊として、重装備のガンマンをテキサスから50人近く雇い入れていた。
テキサスガンマンを統率したのはジョンソン郡でスコットランド人所有のVR牧場の支配人を勤めていた元U.S.マーシャル、フランク ウオルコット(Frank Wolcott)だった。フランクは名誉欲が異常に強いだけ無く、自分の利益のためなら、どんな嘘でもつくような人物だったという。
大牧場主連合が作成した抹消者リストは70名にも及び、なかには自作農寄りの保安官や議員まで含まれていた。
時の大統領が騎兵隊を送るまでになった虐殺事件は、一旦ワイオミング州の裁判の場に持ち込まれたが、裁判の場では、圧倒的なお金と政治的力を持つ大地主連合に対し、自作農側に勝ち目はなく、逮捕されたガンマンたちは全員釈放された。
もうひとつ、有名な「羊飼いとカウボーイの対立」がある。
Pleasant Valley War として知られる争いは10年以上も続いた。
水場をはさんで、牛を飼う Graham家と羊を飼う Tewksbury家。
Tom Horn (トム・ホーン 凄腕のガンマンとして有名)を雇われたと言われているが、どちら側が雇ったか定かではない。
憎しみあっている両家の間で少なくとも20人は殺害されているという。
この争いに終止符を打ったのは、名保安官として名高いCommodore Perry Owens だった。
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映画から
「天国の門」
原題 HEAVEN’S GATE「1980」
アメリカの一つの恥部と言われているジョンソン郡事件を農民側から描いている。
「ローハイド」
ある時、カウボーイ達は羊の群れを蹴ちらかし意気洋々としていたが、数時聞も経たないのに元の群れに戻ってしまう。悔しがるカウボーイ達。
「縄張り」 The Sheepman
アメリカ 1958年 86分
牛の牧畜がさかんな西部の町で、羊を飼おうとする男ジェイソンが巻き起こす騒動を描く、明るく軽快なウェスタン。
「テキサスの月」
牛飼いと羊飼いの二つの農場の対立を治めようと、腕利きのカウボーイが大活躍する。
「モンタナ」
50年アメリカ。羊飼い一家(エロール・フリン)がモンタナに移住するが、先に住んでいた牛飼い達(アレクシス・スミス)は彼らを嫌って追い出そうと乱暴をはたらく。
「夕陽の対決」(1969)
川の水をめぐって牧童と羊飼いが激しく対立する町に、一人のガンマンが現われた。彼は町に臨時の教会を設置し、暴力から人々を守ることを宣言する。それを知った牧場主は、男に対抗するため殺し屋を呼び寄せた……。平和のために尽力する男の活躍を描いたウェスタン。
映画「シェーン」もジョンソン郡事件を元にしている。
Lisa Harris ― 2008/09/14 00:00
届いたのは
リサ・ハリス 「FINAL Deposit」 Love Inspired Suspense
クリスチャン系ロマンスを初めて購入。
リサ・ハリス 「FINAL Deposit」 Love Inspired Suspense
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