ガーレン・フォリー Francine Rivers2008/12/02 00:00

久しぶりの新刊買い
「美しき海賊のプリンス」

RTがすすめるこれは読んでおけ400冊に「THE PIRATE PRINCE」が
あったな。
デビュー作だ。
The Ascension Trilogy ということで、後続2冊あるが、
それほど、ではないらしい。

だが、4冊目に書いた「The Duke」 っていうのは
2000年の作品だが、
2007 AAR Top 100 Romances #72 に輝いている。
FictionDBでも星5つ。
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他に注文したのは
Francine Rivers の「A Voice in the Wind 」

有名なクリスチャンロマンス3部作の1番目。
作家の前書きが胸を打つ。
キリスト者として目覚めたあとも信仰を口にする事ができない
臆病な自分がいた。悩み苦しみながら作品としてそれを形に
していた。。とか

FictionDBでの5つ星は初期作品に限ると
Sycamore Hill
Outlaw's Embrace
Redeeming Love
An Echo in the Darkness (1994 上記3部作の2番目)

フランシーン・リバースはセカンドチャンスアトラブで2冊翻訳されていた。あらま。
こちらはあまり評価は高くないが題名が綺麗だ。

きらめく光の中で
哀愁のアランデール

恐いもの見たさにポチしてみようか

美しき海賊のプリンスなど2008/12/10 00:00

「美しき海賊のプリンス」 ガーレン・フォリー

どたばたしている。長すぎる。
キンセールの「Seize the Fire」に似ている。 
ヒロインのキャラがどうにも親しめない。

フランシス・リバース
セカンドチャンスの2冊はいずれもペケ。
「哀愁のアランデール」 
ヴィクトリア朝様式の古家の改修をめぐって対立するうっとうしい話だった。
ヒロインをもっと賢く描いても良かったんではないだろうか。どんどん上手くゆかなくなるヒロインが、最後に、
「わたしが間違っていました」
「きちんと自分の非を認める女性は素敵だよ」
ってなもんである。

「きらめく光の中で」
B&Bをいとなむシングルマザーヒロイン、そこに現れたるはバーンアウトした超リッチヒーロー。
これまたうっとうしい頑ななヒロイン。

本当に後年すばらしいロマンスを書く作家になったとは、この2冊を読んだだけでは俄かに信じがたいイマイチな出来だった。

ナイスレディ2008/12/15 00:00

ハヤカワ・ミステリ文庫
「ナイス・レディ」 ジェン・サックス
原書名:NICE(Sacks,Jen)

Mrs.Gigglesが結構褒めていたので古本を買ってみた。
微妙・・・
イヴァノヴィッチも褒めていたそうだが、、

最初の殺人さえなかったら、もっと楽しめたと思うのだ。


ヒロインはシリアルキラーになる一歩手前、というか、ほとんどなってる、というか、サイコパスと呼んでおかしくない女性である。

彼女は嫌だと言いたくてもいえない、断れない、人にいい顔をしてしまう性格だが、これだけだと、ぐじぐじした女性か?と思いきや、仕事が出来るジャーナリストだったりする。

sexがどちらかというと好きなほうだが、シングルバーで知り合った男と寝たあとでまた会いたいと言われて困ってしまい、断るかわりに殺してしまう。
問題解決の途中経過がなくて困ると殺してしまう、って気持ちはよく分かるんだ。婚約破棄が切り出せず、結婚式場に放火した男とか、人間ってこういう所があるよね。感情が関わるぐちゃぐちゃした部分を味わいたくなくて、いくじがなくて、抹消したくなっちゃうんだ。

で、ヒロインはひとり殺すとはずみがついたかのように、また一人、また一人、

ヒーローはソビエトKGBの生き残り、今は暗殺を仕事としている男。
最新の盗聴器をテスト中にヒロインと男の会話を耳にし、ふっと惹かれて、あとをつけてしまう。。

どちらも人を殺すことに現実感が無い人間である。
そんなふたりが奇妙な恋に落ちる。

ブラックユーモアロマンチック小説である。
それぞれの心の傷や恐れ、不安や夢が明らかになってゆくところなど、結構上手くできている。最後のほうは若干スプラッター気味だが、ひょうひょうとしている。

「どんな瑕を抱えていようと、自分を愛してくれる人がいる」
「こんなわたしでも幸せになれる」
アメリカ人好みの究極のファンタジージョークロマンスなのか、、

何のとがもない男が殺されてゴミのように捨てられちゃっていることを気にしないならば、この本は楽しく読める。

そう、そこが問題なんだよねぇ・・・

Mary Balogh2008/12/18 00:00

The Notorious Rake 1992

最近の読書のなかではビッグヒット。
ストーリーの斬新さ、どきどきする緊迫感、切なくて痛くて、優しくて温かくて。

メアリ・バログは、感情の掘り下げが深く、それぞれのキャラクターの心の問答が特徴的だと思う。
のめりこんで読んでしまうところがある。
するどい刃物で刺されたような気分になるときもある。

最終的には温かい作品となったが、カーラ・ケリーのようなずっと続く温かさではなく、きりきりと胸をしめつけてしめつけて、もはや無感覚になったような後で、温かい場所にたどり着くので、ちょっとしんどい。

個人的にはCarla の作風のほうが好きで、Baloghはたとえ温かいお話だよ、と言われてもたて続けに読むのが恐い。

この話は関連する3作の最後。

The Trysting Place Jun-1986
A Counterfeit Betrothal Jun-1992
The Notorious Rake

こうやって読み終わって考えてみると、
バログっていうのは武闘派作家だわ。 
世の中の固定概念や通説に、議論をしかける、けんかを売る、
拘束服から「飛び出したい」という鬱々とした気持ちがヒロインやヒーローから伝わってくる。