Karen Ranney2009/03/20 00:00

Tapestry 読書中のメモ

傷ヒーロー、好みだ。
子供の頃からヒーローを崇拝しているヒロインが気持ちいい。
伯爵の館のキッチンの説明が面白い。初めて知ったことが多い。

文章が文語調というか、くせがあるように感じるけれど、
大学受験英語しか知らないわたしだから、ただの思い込み?
 
ヒーローが大怪我を負った戦争 英仏7年戦争
Quiberon Bay 1759年11月20日 キブロン湾の海戦
Conflan フランス  ウベール・ド・コンフラン提督
Admiral Hawke イギリス  エドワード・ホーク提督

大嵐のなかの戦列艦同士の戦いシーン。
最近海洋モノをいくつか読んでいたから用語がよくわかり、
臨場感を味わえた。
物語ではホーク提督の無謀な作戦で多くの兵士が死んだことを強調している(歴史上はイギリスの大勝利ということになっているが)

ヒロインとヒーローは10才違い 隣の領地
ヒロイン 11のとき両親死亡
ヒロイン 14のときヒーローは戦地へ
4年後帰国
ヒロイン 18 ヒーロー28
Quiberon Bay の戦いで、キャノン砲が手元で暴発。
ヒーロー、体の左側を大きく損傷。
左目と左手を失い、やけどのケロイド、、いたましい。

表紙絵は間違っている。オペラ座の怪人のようなマスクをつけているが、ヒーローは口まで覆うマスクをしているはず。
なぜなら、マスクで声がくぐもる、とか、キスができない、とか、書いてある。


物語は1760年
ジョージ2世が亡くなったところ。
大ピットが結婚式に出席した。

【大ピットについて】
The Great Commoner と呼ばれている。(偉大なる庶民と日本で訳す) 下院の英雄といったところ。 
元々の家系は商人階級。 インドで財を成したいわゆるインド成金「nabob」が祖父である。
イートン、オックスフォード中退後、陸軍入隊。戦闘ラッパ手
祖父の持っていた下院席を継ぐ。反ジョージ2世の弁論が物議をかもし軍から追い出されるが、それがかえって国民の注目となった。
「It is the people who have sent me here」
王や貴族院がたとえピットを嫌っても、平民の声を自分は代弁しているという強い信念。



パリ条約(1763年)にはまだ3年ある、7年戦争や北アメリカ、インド、西アフリカなど各地の植民地戦争、、フランスやスペインとの覇権争いが続いている。

ジョージ3世が嫌々ながらピットを政界に戻した状況。

傷ヒーローロマンスとしては王道だが、背景やちょこっとしたエピソードが実に面白い。 大ピットのセリフがはまっているし、世界情勢も生きている。 
大ピットが痛風に苦しんでいる様子を馬車から降りる時のぶつくさで描く、ジョージ2世、3世がピットを嫌っていたことも、ちょっとした皮肉なセリフで済ます、、ま、ジョージ3世は英語がしゃべるだけマシか、、みたいな、
歴史を知らないと面白さは半減するかもしれないが、Wikiで調べながら読むのがまた楽しい。