ナイスレディ2008/12/15 00:00

ハヤカワ・ミステリ文庫
「ナイス・レディ」 ジェン・サックス
原書名:NICE(Sacks,Jen)

Mrs.Gigglesが結構褒めていたので古本を買ってみた。
微妙・・・
イヴァノヴィッチも褒めていたそうだが、、

最初の殺人さえなかったら、もっと楽しめたと思うのだ。


ヒロインはシリアルキラーになる一歩手前、というか、ほとんどなってる、というか、サイコパスと呼んでおかしくない女性である。

彼女は嫌だと言いたくてもいえない、断れない、人にいい顔をしてしまう性格だが、これだけだと、ぐじぐじした女性か?と思いきや、仕事が出来るジャーナリストだったりする。

sexがどちらかというと好きなほうだが、シングルバーで知り合った男と寝たあとでまた会いたいと言われて困ってしまい、断るかわりに殺してしまう。
問題解決の途中経過がなくて困ると殺してしまう、って気持ちはよく分かるんだ。婚約破棄が切り出せず、結婚式場に放火した男とか、人間ってこういう所があるよね。感情が関わるぐちゃぐちゃした部分を味わいたくなくて、いくじがなくて、抹消したくなっちゃうんだ。

で、ヒロインはひとり殺すとはずみがついたかのように、また一人、また一人、

ヒーローはソビエトKGBの生き残り、今は暗殺を仕事としている男。
最新の盗聴器をテスト中にヒロインと男の会話を耳にし、ふっと惹かれて、あとをつけてしまう。。

どちらも人を殺すことに現実感が無い人間である。
そんなふたりが奇妙な恋に落ちる。

ブラックユーモアロマンチック小説である。
それぞれの心の傷や恐れ、不安や夢が明らかになってゆくところなど、結構上手くできている。最後のほうは若干スプラッター気味だが、ひょうひょうとしている。

「どんな瑕を抱えていようと、自分を愛してくれる人がいる」
「こんなわたしでも幸せになれる」
アメリカ人好みの究極のファンタジージョークロマンスなのか、、

何のとがもない男が殺されてゴミのように捨てられちゃっていることを気にしないならば、この本は楽しく読める。

そう、そこが問題なんだよねぇ・・・

美しき海賊のプリンスなど2008/12/10 00:00

「美しき海賊のプリンス」 ガーレン・フォリー

どたばたしている。長すぎる。
キンセールの「Seize the Fire」に似ている。 
ヒロインのキャラがどうにも親しめない。

フランシス・リバース
セカンドチャンスの2冊はいずれもペケ。
「哀愁のアランデール」 
ヴィクトリア朝様式の古家の改修をめぐって対立するうっとうしい話だった。
ヒロインをもっと賢く描いても良かったんではないだろうか。どんどん上手くゆかなくなるヒロインが、最後に、
「わたしが間違っていました」
「きちんと自分の非を認める女性は素敵だよ」
ってなもんである。

「きらめく光の中で」
B&Bをいとなむシングルマザーヒロイン、そこに現れたるはバーンアウトした超リッチヒーロー。
これまたうっとうしい頑ななヒロイン。

本当に後年すばらしいロマンスを書く作家になったとは、この2冊を読んだだけでは俄かに信じがたいイマイチな出来だった。

Army call 名称2008/10/26 00:00

アメリカ西部 ララミー砦 ワイオミング
Fort Laramie, Dakoda Territory
1880年代の garrison 守備隊 駐屯隊が舞台の物語を読んで。

はっと気づかされたこと。
フロンティア前線の駐屯隊は、アメリカ南北戦争終了後の軍人の再就職先だったのだ。

物語では色々なコールが時刻の代わりに出てくる。

軍隊生活での時間の合図 用語の説明とメロディが聞ける。
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/bugle.htm

1867年は全軍隊でコールは統一されたという。

6:00 AM - Reveille
最後の音が響くときに旗は揚げられ、モーニング・ライフル発砲。

6:30 AM - Breakfast Call [Mess Call]
 mess という単語が会食という意味を持つことを初めて知った。

7:30 AM - Fatigue Call
午前の持ち場で報告

10:00 AM - Drill, Assembly
訓練

11:00 AM - Recall from Drill
モーニングドリル終了

12:00 Noon. Dinner Call [Mess Call]

1:00 PM - Fatigue Call
午後の持ち場

4:30 PM - Water and Stable Call
馬の世話

5:30 PM - Assembly
守備隊全員 集合

6:00 PM - Retreat
旗を降ろす

9:00 PM - Tattoo
就寝の合図

Jacquelyn Frank 「Jacob」2008/10/25 00:00

イマイチ

着想は悪くないのに、物語が恐ろしいほど面白くない。
英語でもダル、日本語でもだるい。
作家に生まれついた、と言う感じじゃない。
デーモン、エンフォーサー、ネクロマンサー、ドルイド、
まことの名前、
召喚される恐怖
見過ごしてしまったドルイド/人間のハーフ
評議会のなかでの敵

せっかくアイデアが立っているのに、筆力の低さが躍動感をそいでいる。

きらめきが乏しい最大の原因は、ヒーロー&ヒロインにある。
魅力の薄いヒーロー&ヒロインが、いちゃいちゃしては同じような会話を繰り返す。
ほとんど同じ感じのシチュエーションと会話が何度も繰り返されると、水増しページを読まされているような気がしてくる。
もっとコンパクトにすれば、ましになったのかもしれない。

星3.5
こういうのを読むと、いかにナリーニやクレスレイが上手かったか、改めて分かる。 ということで、これを読んだあと、Fictionwise に行って Nalini Singh の「Hostage to Pleasure」(ドリアンの話)の評価を 「Good」から「Great」に変更してきた。


困ったことに、主役ふたりがつまらない代償として脇役が興味を引き、
続きが読みたくなる。
これが向こうの商法だと分かっているが、「Gideon」もダウンロードしてしまった。 amazonなどで、この2番目が1番目より更にイマイチだと書いている人もいるので、、とほほ、、

ジュリー・アン・ロング2008/10/07 00:00

久しぶりに「当たり」の文庫本だった。

MrsGiggles とは微妙なところで好みが合うなぁ。

3人姉妹のまんなかの話を先に読んでしまった。
(これが一番評価が高かったので)

そういうわけで、前作とつながっているのかどうか悩むキャラも
いるにはいたが、まあ単独で十分楽しめた。
せっかくだからこのあとで1番目も読むことにしようか?

この話、なにが良かったか、というと、人の心を丁寧に描いて、おもしろうてやがて悲しき、というか、滑稽だけれど温かいというか、人間悲喜劇といった感のあるロマンスになっていることだ。

脇役たちのドラマの塩加減が、わたしに合っていた。

また、主人公たちは一生懸命に生きている大人の男と女だ。
知性的に周囲を見渡すことができるし、相手の感情を丁寧に扱うこともできる。
恐れ、弱さもある、勇気、プライドもある。
社会の裏側も、華やかな表側も知っている。
恋なんて、と、シニカルになれるはずの大人の男女が、惹かれあう。
その抑えた甘さが、わたしの好みだった。

うぶな娘っこに、それほど感激しない年頃なので、このくらいの組み合わせが一番よいのかもしれない。 

やたらにスカートを持ち上げる話じゃないのも、ほんと、よかった。

買った本 Pam Rosenthal2008/10/02 00:00

衝動買い4冊。

「Almost a Gentleman」 (Brava Historical Romance) Pam Rosenthal
男装の麗人 という話らしい。

「Sweet Hush」   Deborah Smith

デボラ・スミス、以前文庫本を読んだ時、なんとなく自分に向いていないと感じた。 語り口が緩やかすぎて、プロットが見えすぎて、わくわく感に欠けると感じた。

それなのに、ポチしてしまった。
最近、ぐっと胸にせまる話に飢えていて、色々な所で賞賛されているので、信じてみようと。

「あなたのために踊らせて」 ジュリー・アン・ロング

全然関心がなかったが、MrsGigglesが保存本にしてるのを見て。

「その愛に守られて」 バーバラ・フリーシー

FictionDBで4つ星だが、TRR5つ アマゾン5つ RITAコンテンポラリ
ということで。