ロビン・マッキンリイ Robin McKinley ― 2009/08/09 11:23
1 青い剣
2 王冠と英雄
Damar王国の物語を読んだ。
不思議な感触の物語だ。
だが、まず、これは言っておきたい。
翻訳がむごくない?
原文を見ていないから断定はできないが、とても日本語とは思えないような文章にたびたび出くわす。
どこにかかる形容詞節なのか、さっぱりわからないような、へんてこな文章。
そんな翻訳にもかかわらず、ずいっとひきこまれる世界だった。
美しく清々しい、しなやかで強い。
1は特に指輪物語を彷彿させるモチーフが散見し、ファンタジーふぁんを喜ばせる。(逆に言うと、よくあるパターンの踏襲とも言える)
1のヒロインを影ながら助ける伝説の英雄を2では生々しい姿で描く。
これにハッとした。
我らが敬愛する素敵な素敵なお姫さま、と、後年の国民は言っているが、そのお姫様が生きていた当時、国民は彼女を偏見と恐れから受け容れようとはしないし、王の側近たちも彼女を嫌った。
2で描かれる一少女の孤独と苦悩は1とは比べ物にならないくらい厳しい。
戦いも1とは比べ物にならないくらい痛々しい。
英雄って何?
大いなる絶望に覆われないと物の価値は見えないの?
まさに「困ったときの神頼み」のような流れに、読んでいると主人公に代わって悔しくなってくる。
この作者は動物に寄せる愛ほど人間を愛していない、と感じる。
気味が悪いほど「血」や「死」が溢れている。
産褥の血、竜の血、とげとげしたサルカの葉を握りしめた血、少女から女になってゆくモチーフのように、血がついてまわる。
作者は意地でも偶像じゃない生の人間を描こうと決めたようで、ルーサとの関わりが不協和音というかファンタジーを逸れた「性」的なものを奏でる。
個人的にはものすごく違和感があった部分だけれど、初体験を経てヒロインは「おびえない女性」として堂々と帰還し、彼女を待ち続けている男の愛を受け容れる。
(トー、好きだよーー!!!)
少数派だと思うが、少女の成長物語として、ユニークな異世界譚として1よりも2のほうが好きだ。
(1に愛の告白が無ければよかったのに、と思っているのは私だけ?)
さて、Damar 関連 すべて短編ばかりだが
アンソロジー Imaginary Lands (1985)
"The Stone Fey," a beautifully written love story set in Damar.
短編集 A Knot in the Grain and Other Stories (1994)
The first four short stories in this collection are set in Damar
2 王冠と英雄
Damar王国の物語を読んだ。
不思議な感触の物語だ。
だが、まず、これは言っておきたい。
翻訳がむごくない?
原文を見ていないから断定はできないが、とても日本語とは思えないような文章にたびたび出くわす。
どこにかかる形容詞節なのか、さっぱりわからないような、へんてこな文章。
そんな翻訳にもかかわらず、ずいっとひきこまれる世界だった。
美しく清々しい、しなやかで強い。
1は特に指輪物語を彷彿させるモチーフが散見し、ファンタジーふぁんを喜ばせる。(逆に言うと、よくあるパターンの踏襲とも言える)
1のヒロインを影ながら助ける伝説の英雄を2では生々しい姿で描く。
これにハッとした。
我らが敬愛する素敵な素敵なお姫さま、と、後年の国民は言っているが、そのお姫様が生きていた当時、国民は彼女を偏見と恐れから受け容れようとはしないし、王の側近たちも彼女を嫌った。
2で描かれる一少女の孤独と苦悩は1とは比べ物にならないくらい厳しい。
戦いも1とは比べ物にならないくらい痛々しい。
英雄って何?
大いなる絶望に覆われないと物の価値は見えないの?
まさに「困ったときの神頼み」のような流れに、読んでいると主人公に代わって悔しくなってくる。
この作者は動物に寄せる愛ほど人間を愛していない、と感じる。
気味が悪いほど「血」や「死」が溢れている。
産褥の血、竜の血、とげとげしたサルカの葉を握りしめた血、少女から女になってゆくモチーフのように、血がついてまわる。
作者は意地でも偶像じゃない生の人間を描こうと決めたようで、ルーサとの関わりが不協和音というかファンタジーを逸れた「性」的なものを奏でる。
個人的にはものすごく違和感があった部分だけれど、初体験を経てヒロインは「おびえない女性」として堂々と帰還し、彼女を待ち続けている男の愛を受け容れる。
(トー、好きだよーー!!!)
少数派だと思うが、少女の成長物語として、ユニークな異世界譚として1よりも2のほうが好きだ。
(1に愛の告白が無ければよかったのに、と思っているのは私だけ?)
さて、Damar 関連 すべて短編ばかりだが
アンソロジー Imaginary Lands (1985)
"The Stone Fey," a beautifully written love story set in Damar.
短編集 A Knot in the Grain and Other Stories (1994)
The first four short stories in this collection are set in Damar
Foxit eSlick Reader と Acrobat reader LE ― 2009/07/15 00:00
電子ブックを読むのにWS003 が手放せない今日この頃だが、
もび形式ではない、自宅でスキャンしたpdf本 を読むためのデバイスが欲しくて、eSlickを購入し、それが先日届いた。
結論から言うと、、、あいたた、期待が大きすぎた。
MSword ファイルをpdf化した場合は、大変キレイに表示されるのだが、スキャンしたpdf は、にじんだような文字にしかならない。
読めなくはないけれど、古本の印刷擦れのような画面になる。
コレには本当がっかり。
ただし、大きさはイイ。大変見やすい。
画面はWS003 の2倍の広さだ。
日本語新書の場合、ランドスケープ表示にして横長の向きにすれば
ちょうど上段が200%表示でおさまり、目には優しい。(ただしにじみがある文字だが とほほ)
あと、システムに日本語フォントがないから、日本語ファイル名は表示されない。ファイル名が本の題名リストになるので、日本語ファイル名のままだと空白になってしまう。仕方なくローマ字表記のファイル名に変換した。
正直なところ eSlick でずっと読書する気にはなれない。。
WS003本体付属のPicsel PDF viewer は評判どおり糞だった。
pdf ファイルを開けると、前後(あと最初と最後)のページにしか移動できないため、300ページ の本の150ページに行こうとしたら150回ぽちぽちボタンを押さなくてはならない。
ネットで探して、Acrobat reader LE をインストールした。
こちらのソフトの出来は素晴らしい。
25メガもあるスキャンpdf本も ストレスなく開いてくれる。
が、問題は、、画面の小ささだ。
pdf ゆえ、ページ単位にしか表示できないため、文字を見やすい大きさに拡大すると、上下左右にスクロールしなければ全文読めないし、スクロールの手間を嫌うと文字が小さくなるわけだし、、、
モビポケットリーダーがインストールでき、アクロバットリーダーがインストールでき、WS003よりか画面が大きいものが欲しい。
起動は早く (WS003では1,2秒だ)、
バッテリーが長持ち、
軽く (寝転がって片手に持って読める)
こういうPDAまたはUMPCが欲しい!
もび形式ではない、自宅でスキャンしたpdf本 を読むためのデバイスが欲しくて、eSlickを購入し、それが先日届いた。
結論から言うと、、、あいたた、期待が大きすぎた。
MSword ファイルをpdf化した場合は、大変キレイに表示されるのだが、スキャンしたpdf は、にじんだような文字にしかならない。
読めなくはないけれど、古本の印刷擦れのような画面になる。
コレには本当がっかり。
ただし、大きさはイイ。大変見やすい。
画面はWS003 の2倍の広さだ。
日本語新書の場合、ランドスケープ表示にして横長の向きにすれば
ちょうど上段が200%表示でおさまり、目には優しい。(ただしにじみがある文字だが とほほ)
あと、システムに日本語フォントがないから、日本語ファイル名は表示されない。ファイル名が本の題名リストになるので、日本語ファイル名のままだと空白になってしまう。仕方なくローマ字表記のファイル名に変換した。
正直なところ eSlick でずっと読書する気にはなれない。。
WS003本体付属のPicsel PDF viewer は評判どおり糞だった。
pdf ファイルを開けると、前後(あと最初と最後)のページにしか移動できないため、300ページ の本の150ページに行こうとしたら150回ぽちぽちボタンを押さなくてはならない。
ネットで探して、Acrobat reader LE をインストールした。
こちらのソフトの出来は素晴らしい。
25メガもあるスキャンpdf本も ストレスなく開いてくれる。
が、問題は、、画面の小ささだ。
pdf ゆえ、ページ単位にしか表示できないため、文字を見やすい大きさに拡大すると、上下左右にスクロールしなければ全文読めないし、スクロールの手間を嫌うと文字が小さくなるわけだし、、、
モビポケットリーダーがインストールでき、アクロバットリーダーがインストールでき、WS003よりか画面が大きいものが欲しい。
起動は早く (WS003では1,2秒だ)、
バッテリーが長持ち、
軽く (寝転がって片手に持って読める)
こういうPDAまたはUMPCが欲しい!
中古WS003 はとても便利 ― 2009/06/10 00:00
SDマイクロカードが異常に安い。
どうなっているんだろう?
2ギガで650円だった・・・
モビポケット形式の電子ブックをSDカードに直接コピー。
いくらでも入れれる。(そんなに読めないけど)
元々モビだったものと、
MicrosoftReader形式を某アプリでHTML変換し、その後Mobipocket Createrで変換したものと、
さらに、scansnapでスキャンしてpdfにしたものも、ちょっと手をいれてモビにした。
フリーの英和辞書が連動するのでモビだと読みやすいし。
-----------------
pdfの処理は昔より少し賢いやり方で(昔がバカすぎた)
洋書に特有のヘッダー(又はフッター)をトリミングツールで取り除く。
(ページ番号や作家名や作品名が書いてあるところ)
取り除いたあと、Scansnapオーガナイザーに付属の
wordファイル変換 機能を用いて、ワードに変換。
ワードファイルになったら、置換メニューで
1.ページ区切り(またはセッション区切り)を一気に取り除く
2.オプションで正規表現またはワイルドカードを選んで、数字検索をする( これは、大抵おかしな変換は数字になっているという経験から )
3. /(半角のスラッシュ)検索をする。これも経験から、イタリックの「
I」や、びっくりマークなどがこれに代わってしまっているから。
最後に「ツール」の文章校正で、おかしなところを直す。
チャプターの区切りは自分でページ区切りを入れ直す。
このあとモビ化する。
この手間をかける意味があるかどうか、は、読みたい気持ちがどれほど強いか、だが。
まとまった時間が取れないが、ちょこちょこ読むのに合っている。
WS003にしてから、ほっておいた本を3冊読了した。3冊のうち、2冊はとても面白かったので、WS003の満足度がアップした(笑)。
WS003に今はいっている未読本は
バーバラ・サミュエル 「Heart of a Knight」
ジョージエット・へイヤー 「Frederica」「The Grand Sophy」
メアリ・バログ 「Lady with a Black Umbrella」「The Obedient Bride」
ケイ・フーパー 「The Wizard of Seattle」
ジュリー・アン・ロング 「The Runaway Duke」
Ken Casper 「Upstairs at Miss Hattie's」
JDロブ 「Immortal In Death」
Jo Beverley Mallorenシリーズの2、3、4、5
クレスレイ・コール 「If You Dare」
JRウォード 「Dark Lover」 昔途中でやめてしまったが、もったいないので
他に、既読だけれど好きなので、クレスレイ・コールのインモータルシリーズを全部入れておいた。
シェリル・レビスの 「Patrick Gallagher's Widow」
ジャスティン・デイビスの 「The Morning Side of Dawn」
これも好きなので、また読み返そうと思って。
ガバルドンの 「Fiery Cross」 飛ばし読みをしたので読み返そうと思って。
。
どうなっているんだろう?
2ギガで650円だった・・・
モビポケット形式の電子ブックをSDカードに直接コピー。
いくらでも入れれる。(そんなに読めないけど)
元々モビだったものと、
MicrosoftReader形式を某アプリでHTML変換し、その後Mobipocket Createrで変換したものと、
さらに、scansnapでスキャンしてpdfにしたものも、ちょっと手をいれてモビにした。
フリーの英和辞書が連動するのでモビだと読みやすいし。
-----------------
pdfの処理は昔より少し賢いやり方で(昔がバカすぎた)
洋書に特有のヘッダー(又はフッター)をトリミングツールで取り除く。
(ページ番号や作家名や作品名が書いてあるところ)
取り除いたあと、Scansnapオーガナイザーに付属の
wordファイル変換 機能を用いて、ワードに変換。
ワードファイルになったら、置換メニューで
1.ページ区切り(またはセッション区切り)を一気に取り除く
2.オプションで正規表現またはワイルドカードを選んで、数字検索をする( これは、大抵おかしな変換は数字になっているという経験から )
3. /(半角のスラッシュ)検索をする。これも経験から、イタリックの「
I」や、びっくりマークなどがこれに代わってしまっているから。
最後に「ツール」の文章校正で、おかしなところを直す。
チャプターの区切りは自分でページ区切りを入れ直す。
このあとモビ化する。
この手間をかける意味があるかどうか、は、読みたい気持ちがどれほど強いか、だが。
まとまった時間が取れないが、ちょこちょこ読むのに合っている。
WS003にしてから、ほっておいた本を3冊読了した。3冊のうち、2冊はとても面白かったので、WS003の満足度がアップした(笑)。
WS003に今はいっている未読本は
バーバラ・サミュエル 「Heart of a Knight」
ジョージエット・へイヤー 「Frederica」「The Grand Sophy」
メアリ・バログ 「Lady with a Black Umbrella」「The Obedient Bride」
ケイ・フーパー 「The Wizard of Seattle」
ジュリー・アン・ロング 「The Runaway Duke」
Ken Casper 「Upstairs at Miss Hattie's」
JDロブ 「Immortal In Death」
Jo Beverley Mallorenシリーズの2、3、4、5
クレスレイ・コール 「If You Dare」
JRウォード 「Dark Lover」 昔途中でやめてしまったが、もったいないので
他に、既読だけれど好きなので、クレスレイ・コールのインモータルシリーズを全部入れておいた。
シェリル・レビスの 「Patrick Gallagher's Widow」
ジャスティン・デイビスの 「The Morning Side of Dawn」
これも好きなので、また読み返そうと思って。
ガバルドンの 「Fiery Cross」 飛ばし読みをしたので読み返そうと思って。
。
Karen Ranney ― 2009/03/20 00:00
Tapestry 読書中のメモ
傷ヒーロー、好みだ。
子供の頃からヒーローを崇拝しているヒロインが気持ちいい。
伯爵の館のキッチンの説明が面白い。初めて知ったことが多い。
文章が文語調というか、くせがあるように感じるけれど、
大学受験英語しか知らないわたしだから、ただの思い込み?
ヒーローが大怪我を負った戦争 英仏7年戦争
Quiberon Bay 1759年11月20日 キブロン湾の海戦
Conflan フランス ウベール・ド・コンフラン提督
Admiral Hawke イギリス エドワード・ホーク提督
大嵐のなかの戦列艦同士の戦いシーン。
最近海洋モノをいくつか読んでいたから用語がよくわかり、
臨場感を味わえた。
物語ではホーク提督の無謀な作戦で多くの兵士が死んだことを強調している(歴史上はイギリスの大勝利ということになっているが)
ヒロインとヒーローは10才違い 隣の領地
ヒロイン 11のとき両親死亡
ヒロイン 14のときヒーローは戦地へ
4年後帰国
ヒロイン 18 ヒーロー28
Quiberon Bay の戦いで、キャノン砲が手元で暴発。
ヒーロー、体の左側を大きく損傷。
左目と左手を失い、やけどのケロイド、、いたましい。
表紙絵は間違っている。オペラ座の怪人のようなマスクをつけているが、ヒーローは口まで覆うマスクをしているはず。
なぜなら、マスクで声がくぐもる、とか、キスができない、とか、書いてある。
物語は1760年
ジョージ2世が亡くなったところ。
大ピットが結婚式に出席した。
【大ピットについて】
The Great Commoner と呼ばれている。(偉大なる庶民と日本で訳す) 下院の英雄といったところ。
元々の家系は商人階級。 インドで財を成したいわゆるインド成金「nabob」が祖父である。
イートン、オックスフォード中退後、陸軍入隊。戦闘ラッパ手
祖父の持っていた下院席を継ぐ。反ジョージ2世の弁論が物議をかもし軍から追い出されるが、それがかえって国民の注目となった。
「It is the people who have sent me here」
王や貴族院がたとえピットを嫌っても、平民の声を自分は代弁しているという強い信念。
パリ条約(1763年)にはまだ3年ある、7年戦争や北アメリカ、インド、西アフリカなど各地の植民地戦争、、フランスやスペインとの覇権争いが続いている。
ジョージ3世が嫌々ながらピットを政界に戻した状況。
傷ヒーローロマンスとしては王道だが、背景やちょこっとしたエピソードが実に面白い。 大ピットのセリフがはまっているし、世界情勢も生きている。
大ピットが痛風に苦しんでいる様子を馬車から降りる時のぶつくさで描く、ジョージ2世、3世がピットを嫌っていたことも、ちょっとした皮肉なセリフで済ます、、ま、ジョージ3世は英語がしゃべるだけマシか、、みたいな、
歴史を知らないと面白さは半減するかもしれないが、Wikiで調べながら読むのがまた楽しい。
傷ヒーロー、好みだ。
子供の頃からヒーローを崇拝しているヒロインが気持ちいい。
伯爵の館のキッチンの説明が面白い。初めて知ったことが多い。
文章が文語調というか、くせがあるように感じるけれど、
大学受験英語しか知らないわたしだから、ただの思い込み?
ヒーローが大怪我を負った戦争 英仏7年戦争
Quiberon Bay 1759年11月20日 キブロン湾の海戦
Conflan フランス ウベール・ド・コンフラン提督
Admiral Hawke イギリス エドワード・ホーク提督
大嵐のなかの戦列艦同士の戦いシーン。
最近海洋モノをいくつか読んでいたから用語がよくわかり、
臨場感を味わえた。
物語ではホーク提督の無謀な作戦で多くの兵士が死んだことを強調している(歴史上はイギリスの大勝利ということになっているが)
ヒロインとヒーローは10才違い 隣の領地
ヒロイン 11のとき両親死亡
ヒロイン 14のときヒーローは戦地へ
4年後帰国
ヒロイン 18 ヒーロー28
Quiberon Bay の戦いで、キャノン砲が手元で暴発。
ヒーロー、体の左側を大きく損傷。
左目と左手を失い、やけどのケロイド、、いたましい。
表紙絵は間違っている。オペラ座の怪人のようなマスクをつけているが、ヒーローは口まで覆うマスクをしているはず。
なぜなら、マスクで声がくぐもる、とか、キスができない、とか、書いてある。
物語は1760年
ジョージ2世が亡くなったところ。
大ピットが結婚式に出席した。
【大ピットについて】
The Great Commoner と呼ばれている。(偉大なる庶民と日本で訳す) 下院の英雄といったところ。
元々の家系は商人階級。 インドで財を成したいわゆるインド成金「nabob」が祖父である。
イートン、オックスフォード中退後、陸軍入隊。戦闘ラッパ手
祖父の持っていた下院席を継ぐ。反ジョージ2世の弁論が物議をかもし軍から追い出されるが、それがかえって国民の注目となった。
「It is the people who have sent me here」
王や貴族院がたとえピットを嫌っても、平民の声を自分は代弁しているという強い信念。
パリ条約(1763年)にはまだ3年ある、7年戦争や北アメリカ、インド、西アフリカなど各地の植民地戦争、、フランスやスペインとの覇権争いが続いている。
ジョージ3世が嫌々ながらピットを政界に戻した状況。
傷ヒーローロマンスとしては王道だが、背景やちょこっとしたエピソードが実に面白い。 大ピットのセリフがはまっているし、世界情勢も生きている。
大ピットが痛風に苦しんでいる様子を馬車から降りる時のぶつくさで描く、ジョージ2世、3世がピットを嫌っていたことも、ちょっとした皮肉なセリフで済ます、、ま、ジョージ3世は英語がしゃべるだけマシか、、みたいな、
歴史を知らないと面白さは半減するかもしれないが、Wikiで調べながら読むのがまた楽しい。
Mary Balogh その2 ― 2009/01/09 00:00
Dark Angelシリーズ3,4を読んでみた。
あれ、なんだか今まで読んだバログのイメージとはずいぶん違う。
というか、今まで読んだものの方が異端だったのか?
1996年に出版された「The Famous Heroine」「The Plumed Bonnet」
どちらも良く出来たリージェンシーだが特別というほどではなく、
ふたりだけでいた所を見られたから仕方なく結婚するはめに陥る、とか、身持ちの悪い女だと誤解して一緒にいたら違った、で、仕方なく結婚する、とか、そういうパターンで結婚するふたりである。
どちらも階級の違いに悩むのがテーマだ。
片方は商人の娘であることが問題なのだが、基本が明るいユーモア系
もう片方は、公爵妃にふさわしい女性にならなければ、と色々なルールを覚えていくうちに自分が自分でなくなってしまったようになるヒロインの話。
ヒーローも最初のうちは公爵妃教育をさせることに熱心で、ヒロインを変えることに何ら疑問を感じていなかったが、だんだん完璧なマシーンに変わってゆくヒロインにうろたえだす。
彼は命令することには慣れているが、自分の気持ちを口にするのが苦手だ。
ヒロインの心に手が届かないと悩んでいるが、どうしたらいいかわからない。 彼女から笑顔を奪った自分を彼女はきっと憎んでいるだろう、と
思うようになる。
一体どうなるだろうと心配したが、ここから結構素直に関係修復となる。どちらも自分の気持ちを正直に語るので、読んでいて気持ちがよいが、
あっさり感が残る。
問題はあっさり感だけではない。
今まで読んだバログなら、もっと階級について突き詰めて考えたりするのでは、と思うのだが、ここでは単に結婚における階級の違いを悩むといった事だけだ。
それも男性側の階級が上だから女性側がシンデレラになる、女性側の階級が下だといっても裕福である、etc.女性読者にとって階級の違いはさほど生真面目な問いかけにはなっていない。
普段のバログはこうしたロマンスを書いているのかな。
そうそう、それでもバログらしいと思ったのは、とても官能的なベッドシーンがあることか。他のSignetリージェンシーでは生々しい描写ってあまり無いのに、彼女の作品はけっこうリアルだ。
あれ、なんだか今まで読んだバログのイメージとはずいぶん違う。
というか、今まで読んだものの方が異端だったのか?
1996年に出版された「The Famous Heroine」「The Plumed Bonnet」
どちらも良く出来たリージェンシーだが特別というほどではなく、
ふたりだけでいた所を見られたから仕方なく結婚するはめに陥る、とか、身持ちの悪い女だと誤解して一緒にいたら違った、で、仕方なく結婚する、とか、そういうパターンで結婚するふたりである。
どちらも階級の違いに悩むのがテーマだ。
片方は商人の娘であることが問題なのだが、基本が明るいユーモア系
もう片方は、公爵妃にふさわしい女性にならなければ、と色々なルールを覚えていくうちに自分が自分でなくなってしまったようになるヒロインの話。
ヒーローも最初のうちは公爵妃教育をさせることに熱心で、ヒロインを変えることに何ら疑問を感じていなかったが、だんだん完璧なマシーンに変わってゆくヒロインにうろたえだす。
彼は命令することには慣れているが、自分の気持ちを口にするのが苦手だ。
ヒロインの心に手が届かないと悩んでいるが、どうしたらいいかわからない。 彼女から笑顔を奪った自分を彼女はきっと憎んでいるだろう、と
思うようになる。
一体どうなるだろうと心配したが、ここから結構素直に関係修復となる。どちらも自分の気持ちを正直に語るので、読んでいて気持ちがよいが、
あっさり感が残る。
問題はあっさり感だけではない。
今まで読んだバログなら、もっと階級について突き詰めて考えたりするのでは、と思うのだが、ここでは単に結婚における階級の違いを悩むといった事だけだ。
それも男性側の階級が上だから女性側がシンデレラになる、女性側の階級が下だといっても裕福である、etc.女性読者にとって階級の違いはさほど生真面目な問いかけにはなっていない。
普段のバログはこうしたロマンスを書いているのかな。
そうそう、それでもバログらしいと思ったのは、とても官能的なベッドシーンがあることか。他のSignetリージェンシーでは生々しい描写ってあまり無いのに、彼女の作品はけっこうリアルだ。
Mary Balogh ― 2008/12/18 00:00
The Notorious Rake 1992
最近の読書のなかではビッグヒット。
ストーリーの斬新さ、どきどきする緊迫感、切なくて痛くて、優しくて温かくて。
メアリ・バログは、感情の掘り下げが深く、それぞれのキャラクターの心の問答が特徴的だと思う。
のめりこんで読んでしまうところがある。
するどい刃物で刺されたような気分になるときもある。
最終的には温かい作品となったが、カーラ・ケリーのようなずっと続く温かさではなく、きりきりと胸をしめつけてしめつけて、もはや無感覚になったような後で、温かい場所にたどり着くので、ちょっとしんどい。
個人的にはCarla の作風のほうが好きで、Baloghはたとえ温かいお話だよ、と言われてもたて続けに読むのが恐い。
この話は関連する3作の最後。
The Trysting Place Jun-1986
A Counterfeit Betrothal Jun-1992
The Notorious Rake
こうやって読み終わって考えてみると、
バログっていうのは武闘派作家だわ。
世の中の固定概念や通説に、議論をしかける、けんかを売る、
拘束服から「飛び出したい」という鬱々とした気持ちがヒロインやヒーローから伝わってくる。
最近の読書のなかではビッグヒット。
ストーリーの斬新さ、どきどきする緊迫感、切なくて痛くて、優しくて温かくて。
メアリ・バログは、感情の掘り下げが深く、それぞれのキャラクターの心の問答が特徴的だと思う。
のめりこんで読んでしまうところがある。
するどい刃物で刺されたような気分になるときもある。
最終的には温かい作品となったが、カーラ・ケリーのようなずっと続く温かさではなく、きりきりと胸をしめつけてしめつけて、もはや無感覚になったような後で、温かい場所にたどり着くので、ちょっとしんどい。
個人的にはCarla の作風のほうが好きで、Baloghはたとえ温かいお話だよ、と言われてもたて続けに読むのが恐い。
この話は関連する3作の最後。
The Trysting Place Jun-1986
A Counterfeit Betrothal Jun-1992
The Notorious Rake
こうやって読み終わって考えてみると、
バログっていうのは武闘派作家だわ。
世の中の固定概念や通説に、議論をしかける、けんかを売る、
拘束服から「飛び出したい」という鬱々とした気持ちがヒロインやヒーローから伝わってくる。
最近のコメント