Gracias a la Vida ― 2007/12/17 00:00
BSハイビジョンで再放送されたもの(オリジナル 2003年 BS2放送)
Gracias a la vida
Violeta Parra 作詞作曲
Gracias a la vida, que me ha dado tanto.
Me dio dos luceros, y cuando los abro,
Perfecto distingo lo negro del blanco,
Y en el alto cielo su fondo estrellado,
Y en las multitudes al hombre que yo amo.
Gracias a la vida, que me ha dado tanto.
Me ha dado el oido que, en todo su ancho,
Graba noche y dia grillos y canarios
Martillos, turbinas, ladridos, chubascos,
Y la voz tan tierna de mi bien amado.
Gracias a la vida, que me ha dado tanto,
Me ha dado el sonido y abecedario.
Con el las palabras que pienso y declaro,
"madre, amigo hermano" y luz alumbrando
la ruta del alma del que estoy amando
Gracias a la vida, que me ha dado tanto.
Me ha dado la marcha de mis pies cansados.
Con ellos anduve ciudades y charcos,
Playas y desiertos, montanas y llanos,
Y la casa tuya, tu calle y tu patio.
Gracias a la vida que me ha dado tanto
Me dio el corazon, que agita su marco.
Cuando miro el fruto del cerebro humano,
Cuando miro al bueno tan lejos del malo.
Cuando miro el fondo de tus ojos claros.
Gracias a la vida que me ha dado tanto.
Me ha dado la risa, me ha dado el llanto.
Asi yo distingo dicha de quebranto,
Todos materiales que forman mi canto,
Y el canto de ustedes que es el mismo canto.
Y el canto de todos que es mi propio canto.
英語での訳詩をもとにして、日本語に訳してみた。
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
二つの明星を与えてくれた、その目をひらくと
はっきりとわかる 白いものと黒いもの
空の高みの 星の深さ
人混みの中の 愛する人
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
聴くことを教えてくれた そのあまねく広がり
昼と夜がとらえる コウロギの声 カナリヤの歌
ハンマー タービンの響き 吠える犬 突然の雨
そして 愛する人の優しい声
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
音と文字を与えてくれた
そこから生まれた言葉で わたしは思う わたしは話す
母 友 兄弟のこと 輝ける光のこと
愛する人の魂へとたどる道のこと
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
疲れた足を歩かせてくれる力
わたしは歩く 街をぬけ ぬかるみをぬけ
浜辺と荒野 山々と平原
そしてあなたの家 あなたの通り あなたの中庭へ
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
心臓をくれた それは体ごとわたしを揺さぶる
人の英知の実りを目にするとき
悪しきものから隔たる善きものを見るとき
あなたの澄み切った瞳の底を覗くとき
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
笑いをくれた 涙をくれた
だからわたしは喜びと痛みの違いがわかる
それらはすべてわたしの歌を形作るもの
そして、この歌はあなたたちの歌 同じ歌
みんなの歌 わたし自身の歌
*
Gracias a la vida
Violeta Parra 作詞作曲
Gracias a la vida, que me ha dado tanto.
Me dio dos luceros, y cuando los abro,
Perfecto distingo lo negro del blanco,
Y en el alto cielo su fondo estrellado,
Y en las multitudes al hombre que yo amo.
Gracias a la vida, que me ha dado tanto.
Me ha dado el oido que, en todo su ancho,
Graba noche y dia grillos y canarios
Martillos, turbinas, ladridos, chubascos,
Y la voz tan tierna de mi bien amado.
Gracias a la vida, que me ha dado tanto,
Me ha dado el sonido y abecedario.
Con el las palabras que pienso y declaro,
"madre, amigo hermano" y luz alumbrando
la ruta del alma del que estoy amando
Gracias a la vida, que me ha dado tanto.
Me ha dado la marcha de mis pies cansados.
Con ellos anduve ciudades y charcos,
Playas y desiertos, montanas y llanos,
Y la casa tuya, tu calle y tu patio.
Gracias a la vida que me ha dado tanto
Me dio el corazon, que agita su marco.
Cuando miro el fruto del cerebro humano,
Cuando miro al bueno tan lejos del malo.
Cuando miro el fondo de tus ojos claros.
Gracias a la vida que me ha dado tanto.
Me ha dado la risa, me ha dado el llanto.
Asi yo distingo dicha de quebranto,
Todos materiales que forman mi canto,
Y el canto de ustedes que es el mismo canto.
Y el canto de todos que es mi propio canto.
英語での訳詩をもとにして、日本語に訳してみた。
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
二つの明星を与えてくれた、その目をひらくと
はっきりとわかる 白いものと黒いもの
空の高みの 星の深さ
人混みの中の 愛する人
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
聴くことを教えてくれた そのあまねく広がり
昼と夜がとらえる コウロギの声 カナリヤの歌
ハンマー タービンの響き 吠える犬 突然の雨
そして 愛する人の優しい声
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
音と文字を与えてくれた
そこから生まれた言葉で わたしは思う わたしは話す
母 友 兄弟のこと 輝ける光のこと
愛する人の魂へとたどる道のこと
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
疲れた足を歩かせてくれる力
わたしは歩く 街をぬけ ぬかるみをぬけ
浜辺と荒野 山々と平原
そしてあなたの家 あなたの通り あなたの中庭へ
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
心臓をくれた それは体ごとわたしを揺さぶる
人の英知の実りを目にするとき
悪しきものから隔たる善きものを見るとき
あなたの澄み切った瞳の底を覗くとき
人生よ、ありがとう、こんなにたくさん わたしにくれて
笑いをくれた 涙をくれた
だからわたしは喜びと痛みの違いがわかる
それらはすべてわたしの歌を形作るもの
そして、この歌はあなたたちの歌 同じ歌
みんなの歌 わたし自身の歌
*
Una Palabra カルロス・バレーラ ― 2006/09/20 13:12
友人が貸してくれたクライヴ・オーウェン主演のBMWのCMフィルム、
全部で8つのショートフィルムがはいっている。
どれも豪華な内容だが、
最後の「Powder Keg」 がとんでもなく秀逸。。。
わずか12分ほどのショートフィルムに圧倒される。
監督はあの、イニャリトゥ。
さすがだ。。
映画の最後のほうで心にしみるような歌が流れた。
字幕をONにして、画面からその歌の歌詞の一部を写し取る。
スペイン語辞書をひいて、ほんの数行だけを訳しだすと
思った以上に胸をうつ詩だった。
どうしてもこの歌を全部ききたい。
この詩を知りたい。
うろ覚えの言葉でネット検索すると、そのものずばり
詩をのせているコロンビア人のブログに出会った。
そして、そこからこの歌はCarlos Varela カルロス・ヴァレーラ
という人の作品だとわかった。
詩は「Una Palabra」という 英語では「A Word」
una palabra no dice nada 言葉はなにも語らず
y al mismo tiempo lo esconde todo 同時にすべてを隠す
igual que el viento esconde el agua ちょうど風が水を隠すように
como las flores que esconden lodo 花が泥を隠すように
una mirada no dice nada 見ることはなにもいわないが
y al mismo tiempo lo dice todo 同時にすべてを言う
como la lluvia sobre tu cara おまえの顔にかかる雨のように
o el viejo mapa de algún tesoro どこかの宝の古い地図のように
como la lluvia sobre tu cara おまえの顔をぬらす雨のように
o el viejo mapa de algún tesoro 宝の古い地図のように
una verdad no dice nada 真実はなにも語らず
y al mismo tiempo lo esconde todo 同時にすべてを隠す
como una hoguera que no se apaga 消えない焚き火のように
como una piedra que nace polvo ちりを生む石のように
si un día me faltas no sere nada たとえおまえを恋しく思う一日が
なんの意味もないとしても
y al mismo tiempo lo sere todo それは同時にすべての意味がある
porque en tus ojos estan mis alas なぜならおまえの目の中に
わたしのふたつの羽根があり
y esta la orilla donde me ahogo わたしがおぼれる岸がある
porque en tus ojos estan mis alas なぜならおまえの目の中に
y esta la orilla donde me ahogo わたしのふたつの羽根があり
わたしがおぼれる岸がある
このショートフィルムはこの歌のために作られたのではないか、と
思わせるほど、泣かせる歌だった。
イニャリトゥの鋼の鋭さと野花の優しさ、、まいるね。。
ー
全部で8つのショートフィルムがはいっている。
どれも豪華な内容だが、
最後の「Powder Keg」 がとんでもなく秀逸。。。
わずか12分ほどのショートフィルムに圧倒される。
監督はあの、イニャリトゥ。
さすがだ。。
映画の最後のほうで心にしみるような歌が流れた。
字幕をONにして、画面からその歌の歌詞の一部を写し取る。
スペイン語辞書をひいて、ほんの数行だけを訳しだすと
思った以上に胸をうつ詩だった。
どうしてもこの歌を全部ききたい。
この詩を知りたい。
うろ覚えの言葉でネット検索すると、そのものずばり
詩をのせているコロンビア人のブログに出会った。
そして、そこからこの歌はCarlos Varela カルロス・ヴァレーラ
という人の作品だとわかった。
詩は「Una Palabra」という 英語では「A Word」
una palabra no dice nada 言葉はなにも語らず
y al mismo tiempo lo esconde todo 同時にすべてを隠す
igual que el viento esconde el agua ちょうど風が水を隠すように
como las flores que esconden lodo 花が泥を隠すように
una mirada no dice nada 見ることはなにもいわないが
y al mismo tiempo lo dice todo 同時にすべてを言う
como la lluvia sobre tu cara おまえの顔にかかる雨のように
o el viejo mapa de algún tesoro どこかの宝の古い地図のように
como la lluvia sobre tu cara おまえの顔をぬらす雨のように
o el viejo mapa de algún tesoro 宝の古い地図のように
una verdad no dice nada 真実はなにも語らず
y al mismo tiempo lo esconde todo 同時にすべてを隠す
como una hoguera que no se apaga 消えない焚き火のように
como una piedra que nace polvo ちりを生む石のように
si un día me faltas no sere nada たとえおまえを恋しく思う一日が
なんの意味もないとしても
y al mismo tiempo lo sere todo それは同時にすべての意味がある
porque en tus ojos estan mis alas なぜならおまえの目の中に
わたしのふたつの羽根があり
y esta la orilla donde me ahogo わたしがおぼれる岸がある
porque en tus ojos estan mis alas なぜならおまえの目の中に
y esta la orilla donde me ahogo わたしのふたつの羽根があり
わたしがおぼれる岸がある
このショートフィルムはこの歌のために作られたのではないか、と
思わせるほど、泣かせる歌だった。
イニャリトゥの鋼の鋭さと野花の優しさ、、まいるね。。
ー
芭蕉連句 アニメーション「冬の日」 ― 2006/08/12 00:00
紀伊国屋ブックウェブから購入。
世界の名だたるアニメーターがこれほど一堂に会することは
ないかもしれない、というオムニバスだそうだ。
7000円近くしたのだが、お金は使ってこそだ、、と自分に言い訳して。
-
世界の名だたるアニメーターがこれほど一堂に会することは
ないかもしれない、というオムニバスだそうだ。
7000円近くしたのだが、お金は使ってこそだ、、と自分に言い訳して。
-
虎よ、虎よ ― 2006/08/05 00:00
Susan Krinard 「Touch of the Wolf」には
数多くの詩が引用されている。
最初に印象的に登場した一片はこれだ。
ヒロインがヒーローを見かけた瞬間思い浮かんだ
Tyger, Tyger. burning bright
これはブレイクの有名な詩の出だしだ。
“The Tyger”
William Blake
Tyger, Tyger. burning bright,
In the forests of the night;
What immortal hand or eye.
Could frame thy fearful symmetry?
In what distant deeps or skies.
Burnt the fire of thine eyes?
On what wings dare he aspire?
What the hand, dare seize the fire?
And what shoulder, or what art,
Could twist the sinews of thy heart?
And when thy heart began to beat.
What dread hand? & what dread feet?
What the hammer? What the chain,
In what furnace was thy brain?
What the anvil? what dread grasp.
Dare its deadly terrors clasp?
When the stars threw down their spears
And water'd heaven with their tears:
Did he smile his work to see?
Did he who made the Lamb make thee?
Tyger, Tyger burning bright,
In the forests of the night:
What immortal hand or eye,
Dare frame thy fearful symmetry?
ネットで検索すると、寿岳文章の訳に出会った。
これが奇妙だが2つ、出会った。
文語調の訳と現代語調の訳だ。
どちらもが文章氏の訳なんだろうか?不思議だ。
文語調のを載せてみると、
虎よ!虎よ!ぬばたまの、
夜の林に燃ゆる虎よ。
いかなる不死の眼または腕の、
よくも作りしながゆゆしき均整を?
いかなるをちのわだつみまたは空に、
なんぢがまなこの焔ぞ燃えたる?
何の翼にそも神は乗りて行きし?
何者の手ぞ、その火を敢て捕へたる?
そも亦何の肩、何のわざの、
よくも捩リしなが心臓の腱を?
またその心臓うち始めたるとき、
用ゐられしは何の恐ろしき手?何の恐ろしき足?
槌や何なりし?鎖や何なりし?
いかなる鎔爐になが腦髄はありし?
鐡砧は何なりし?いかなる畏き手のよくも、
その死を致す怖畏を握りし?
あまつむら星槍を投げて、
涙に空をうるはせしとき、
神その創りし汝を見て笑みしや?
仔羊を創りし彼または汝を創りしや?
虎よ!虎よ!ぬばたまの、
夜の林に燃ゆる虎よ。
いかなる不死の眼または腕の、
よくも作りしながゆゆしき均整を?
現代語調のはこれである。
虎よ!虎よ! あかあかと燃える
闇くろぐろの 夜の森に
どんな不死の手 または目が
おまえの怖ろしい均衡を つくり得たか?
どこの遠い海 または空に
おまえの目の その火は燃えていたか?
どんな翼に乗って 神は天がけったか?
その火をあえて捕らえた手は どんな手か?
またどんな肩 どんな技が
おまえの心臓の筋を ねじり得たか?
またおまえの心臓が うち始めたとき
どんな恐ろしい手が おまえの恐ろしい足を形作ったか?
槌はどんな槌? 鎖はどんな鎖?
どんな釜に おまえの脳髄は入れられたか?
鉄床はどんな鉄床? どんな恐ろしい手力が
その死を致す恐怖を むずとつかんだか?
星星がその光の槍を投げおろし
涙で空をうるおしたとき
神は創造のおまえを見て にっこりされたか?
仔羊を創った神が おまえを創られたか?
虎よ!虎よ! あかあかと燃える
闇くろぐろの 夜の森に
どんな不死の手 または目が
おまえの怖ろしい均衡を あえてつくったか?
-
数多くの詩が引用されている。
最初に印象的に登場した一片はこれだ。
ヒロインがヒーローを見かけた瞬間思い浮かんだ
Tyger, Tyger. burning bright
これはブレイクの有名な詩の出だしだ。
“The Tyger”
William Blake
Tyger, Tyger. burning bright,
In the forests of the night;
What immortal hand or eye.
Could frame thy fearful symmetry?
In what distant deeps or skies.
Burnt the fire of thine eyes?
On what wings dare he aspire?
What the hand, dare seize the fire?
And what shoulder, or what art,
Could twist the sinews of thy heart?
And when thy heart began to beat.
What dread hand? & what dread feet?
What the hammer? What the chain,
In what furnace was thy brain?
What the anvil? what dread grasp.
Dare its deadly terrors clasp?
When the stars threw down their spears
And water'd heaven with their tears:
Did he smile his work to see?
Did he who made the Lamb make thee?
Tyger, Tyger burning bright,
In the forests of the night:
What immortal hand or eye,
Dare frame thy fearful symmetry?
ネットで検索すると、寿岳文章の訳に出会った。
これが奇妙だが2つ、出会った。
文語調の訳と現代語調の訳だ。
どちらもが文章氏の訳なんだろうか?不思議だ。
文語調のを載せてみると、
虎よ!虎よ!ぬばたまの、
夜の林に燃ゆる虎よ。
いかなる不死の眼または腕の、
よくも作りしながゆゆしき均整を?
いかなるをちのわだつみまたは空に、
なんぢがまなこの焔ぞ燃えたる?
何の翼にそも神は乗りて行きし?
何者の手ぞ、その火を敢て捕へたる?
そも亦何の肩、何のわざの、
よくも捩リしなが心臓の腱を?
またその心臓うち始めたるとき、
用ゐられしは何の恐ろしき手?何の恐ろしき足?
槌や何なりし?鎖や何なりし?
いかなる鎔爐になが腦髄はありし?
鐡砧は何なりし?いかなる畏き手のよくも、
その死を致す怖畏を握りし?
あまつむら星槍を投げて、
涙に空をうるはせしとき、
神その創りし汝を見て笑みしや?
仔羊を創りし彼または汝を創りしや?
虎よ!虎よ!ぬばたまの、
夜の林に燃ゆる虎よ。
いかなる不死の眼または腕の、
よくも作りしながゆゆしき均整を?
現代語調のはこれである。
虎よ!虎よ! あかあかと燃える
闇くろぐろの 夜の森に
どんな不死の手 または目が
おまえの怖ろしい均衡を つくり得たか?
どこの遠い海 または空に
おまえの目の その火は燃えていたか?
どんな翼に乗って 神は天がけったか?
その火をあえて捕らえた手は どんな手か?
またどんな肩 どんな技が
おまえの心臓の筋を ねじり得たか?
またおまえの心臓が うち始めたとき
どんな恐ろしい手が おまえの恐ろしい足を形作ったか?
槌はどんな槌? 鎖はどんな鎖?
どんな釜に おまえの脳髄は入れられたか?
鉄床はどんな鉄床? どんな恐ろしい手力が
その死を致す恐怖を むずとつかんだか?
星星がその光の槍を投げおろし
涙で空をうるおしたとき
神は創造のおまえを見て にっこりされたか?
仔羊を創った神が おまえを創られたか?
虎よ!虎よ! あかあかと燃える
闇くろぐろの 夜の森に
どんな不死の手 または目が
おまえの怖ろしい均衡を あえてつくったか?
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Matthew Arnold Dover Beach ― 2006/04/26 00:00
Salt on Our Skin のなかで引用されたマシュー・アーノルドの詩
Dover Beach by Matthew Arnold (1822-88)
The sea is calm to-night.
The tide is full, the moon lies fair
Upon the straits; on the French coast the light
Gleams and is gone; the cliffs of England stand,
Glimmering and vast, out in the tranquil bay.
Come to the window, sweet is the night-air!
Only, from the long line of spray
Where the sea meets the moon-blanch'd land,
Listen! you hear the grating roar
Of pebbles which the waves draw back, and fling,
At their return, up the high strand,
Begin, and cease, and then again begin,
With tremulous cadence slow, and bring
The eternal note of sadness in.
Sophocles long ago
Heard it on the {AE}gean, and it brought
Into his mind the turbid ebb and flow
Of human misery; we
Find also in the sound a thought,
Hearing it by this distant northern sea.
The Sea of Faith
Was once, too, at the full, and round earth's shore
Lay like the folds of a bright girdle furl'd.
But now I only hear
Its melancholy, long, withdrawing roar,
Retreating, to the breath
Of the night-wind, down the vast edges drear
And naked shingles of the world.
Ah, love, let us be true
To one another! for the world, which seems
To lie before us like a land of dreams,
So various, so beautiful, so new,
Hath really neither joy, nor love, nor light,
Nor certitude, nor peace, nor help for pain;
And we are here as on a darkling plain
Swept with confused alarms of struggle and flight,
Where ignorant armies clash by night.
--------------
訳をつけてみた
今宵の海は静かに 潮は満ち
月はさやけく海峡を照らす
フランスの浜べに 光がかすかにきらめき消え
イングランドの断崖は 茫漠としてほのかに輝き
静かなる湾に そそりたつ
窓辺に近寄れば 甘やかなる夜の大気が
ただ 長き波うち際からたちのぼる
そこは海が月光のそそぐ大地と出会うところ
耳をすますがよい 玉石が呻きこすれあう
波がひき 押し寄せ 岸壁に高々と打ち寄せる
始まり 止まり 再び始まる
ゆっくりと震えるカデンツァのごとく
悲しみの永遠の調べを
ソフォクレスはその昔
エーゲ海のほとりで その調べを聞き
ままならぬ潮の満ち引きに 思ったのだ
人の世の苦しみを
わたしたちもまた
この遠き北の海にたち 海の音に思いをめぐらす
信仰という名の海は
かつては潮が満ちあふれ すべての岸に沿って
輝く帯が幾層にも折りたたまれるがごとくうちよせた
だが 今聞こえくるは ただ憂いに満ちた
長い ひき潮の唸り
夜風の吐息と消え 茫洋たる世界の淵へ
赤剥けの砂浜へ 潮流は悲しく遠ざかる
ああ、愛する人よ、わたしたちは互いに誠実であろう
わたしたちの眼前に夢の国のように横たわる世界は
多彩で 美しく 清新に見えて
実のところ 喜びもなく 愛もなく 光もなく
確信も 平和も 苦痛の救いもないのだから
闇夜にぶつかりあう無知な軍隊のごとく
争いと敗走の恐怖に戸惑い 押し流され
わたしたちはここ 暗黒の大地にいるのだから
Arnold states that we are like the waves that crash and hit the shore, struggling and fighting for our place on this earth.
He says that love is the cure for all of the struggling and fighting
that takes place on earth.
Love is the only thing that he can rely on right now, even
though his love is not in his life.
Love is Arnold's way of escaping the harsh realities in life.
ほかに気に入ったもの
Is it so small a thing
To have enjoy'd the sun,
To have lived light in the spring,
To have loved, to have thought, to have done...
-
Dover Beach by Matthew Arnold (1822-88)
The sea is calm to-night.
The tide is full, the moon lies fair
Upon the straits; on the French coast the light
Gleams and is gone; the cliffs of England stand,
Glimmering and vast, out in the tranquil bay.
Come to the window, sweet is the night-air!
Only, from the long line of spray
Where the sea meets the moon-blanch'd land,
Listen! you hear the grating roar
Of pebbles which the waves draw back, and fling,
At their return, up the high strand,
Begin, and cease, and then again begin,
With tremulous cadence slow, and bring
The eternal note of sadness in.
Sophocles long ago
Heard it on the {AE}gean, and it brought
Into his mind the turbid ebb and flow
Of human misery; we
Find also in the sound a thought,
Hearing it by this distant northern sea.
The Sea of Faith
Was once, too, at the full, and round earth's shore
Lay like the folds of a bright girdle furl'd.
But now I only hear
Its melancholy, long, withdrawing roar,
Retreating, to the breath
Of the night-wind, down the vast edges drear
And naked shingles of the world.
Ah, love, let us be true
To one another! for the world, which seems
To lie before us like a land of dreams,
So various, so beautiful, so new,
Hath really neither joy, nor love, nor light,
Nor certitude, nor peace, nor help for pain;
And we are here as on a darkling plain
Swept with confused alarms of struggle and flight,
Where ignorant armies clash by night.
--------------
訳をつけてみた
今宵の海は静かに 潮は満ち
月はさやけく海峡を照らす
フランスの浜べに 光がかすかにきらめき消え
イングランドの断崖は 茫漠としてほのかに輝き
静かなる湾に そそりたつ
窓辺に近寄れば 甘やかなる夜の大気が
ただ 長き波うち際からたちのぼる
そこは海が月光のそそぐ大地と出会うところ
耳をすますがよい 玉石が呻きこすれあう
波がひき 押し寄せ 岸壁に高々と打ち寄せる
始まり 止まり 再び始まる
ゆっくりと震えるカデンツァのごとく
悲しみの永遠の調べを
ソフォクレスはその昔
エーゲ海のほとりで その調べを聞き
ままならぬ潮の満ち引きに 思ったのだ
人の世の苦しみを
わたしたちもまた
この遠き北の海にたち 海の音に思いをめぐらす
信仰という名の海は
かつては潮が満ちあふれ すべての岸に沿って
輝く帯が幾層にも折りたたまれるがごとくうちよせた
だが 今聞こえくるは ただ憂いに満ちた
長い ひき潮の唸り
夜風の吐息と消え 茫洋たる世界の淵へ
赤剥けの砂浜へ 潮流は悲しく遠ざかる
ああ、愛する人よ、わたしたちは互いに誠実であろう
わたしたちの眼前に夢の国のように横たわる世界は
多彩で 美しく 清新に見えて
実のところ 喜びもなく 愛もなく 光もなく
確信も 平和も 苦痛の救いもないのだから
闇夜にぶつかりあう無知な軍隊のごとく
争いと敗走の恐怖に戸惑い 押し流され
わたしたちはここ 暗黒の大地にいるのだから
Arnold states that we are like the waves that crash and hit the shore, struggling and fighting for our place on this earth.
He says that love is the cure for all of the struggling and fighting
that takes place on earth.
Love is the only thing that he can rely on right now, even
though his love is not in his life.
Love is Arnold's way of escaping the harsh realities in life.
ほかに気に入ったもの
Is it so small a thing
To have enjoy'd the sun,
To have lived light in the spring,
To have loved, to have thought, to have done...
-
金子 光晴 ― 2006/03/01 00:00
シーツに落ちた陰毛をうたう詩人。性愛を重ねれば重ねるほど、
孤独が深まる気がしてくる。
金子光晴の妻は、夫以外の男性との情事を重ね、
それを夫に話す事に快感を感じていたという。
そして、光晴は妻の告白をきいて、卑しめられ、苦悩し、地獄のどん底に
いる状態になっても被虐的立場に興奮を覚え、いっそう妻を愛したらしい。
まるで小説のような話だ。
----------------------
愛情69 金子光晴
僕の指先がひろひあげたのは
地面のうへの
まがりくねった一本の川筋
外輸蒸気船が遡る
ミシシッピイのやうに
冒険の魅力にみちた
その川すぢを
僕の目が 辿る。
落毛よ。季節をよそに
人のしらぬひまに
ふるひ落とされた葉のやうに
そっと、君からはなれたもの、
皺寄ったシーツの大雪原に
ゆきくれながら、僕があつめる
もとにはかへすよすがのない
その一すぢを
その二すぢを、
ふきちらすにはしのびないのだ。
僕らが、どんなにいのちをかけて
愛しあったか、しってゐるのは
この髯文字のほかには、ゐない。
必死に抱きあったままのふたりが
うへになり、したになり、ころがって
はてしもしらず辷りこんでいった傾斜を、そのゆくはてを
落毛が、はなれて眺めてゐた。
やがてはほどかねばならぬ手や、足が
糸すぢほどのすきまもあらせじと、抱きしめてみても
なほはなればなれなこころゆゑに
一層はげしく抱かねばならなかった、この顛末を。
落雷で崩れた宮観のやうな
虚空に消えのこる、僕らのむなしい像。
僕も
君も
たがひに追い、もつれるようにして、ゐなくなったあとで、
落毛よ、君からぬけ落ちたばかりに
君の人生よりも、はるばるとあとまで生きながらへるであらう。それは
しをりにしてはさんで、僕が忘れたままの
黙示録のなかごろの頁のかげに。
孤独が深まる気がしてくる。
金子光晴の妻は、夫以外の男性との情事を重ね、
それを夫に話す事に快感を感じていたという。
そして、光晴は妻の告白をきいて、卑しめられ、苦悩し、地獄のどん底に
いる状態になっても被虐的立場に興奮を覚え、いっそう妻を愛したらしい。
まるで小説のような話だ。
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愛情69 金子光晴
僕の指先がひろひあげたのは
地面のうへの
まがりくねった一本の川筋
外輸蒸気船が遡る
ミシシッピイのやうに
冒険の魅力にみちた
その川すぢを
僕の目が 辿る。
落毛よ。季節をよそに
人のしらぬひまに
ふるひ落とされた葉のやうに
そっと、君からはなれたもの、
皺寄ったシーツの大雪原に
ゆきくれながら、僕があつめる
もとにはかへすよすがのない
その一すぢを
その二すぢを、
ふきちらすにはしのびないのだ。
僕らが、どんなにいのちをかけて
愛しあったか、しってゐるのは
この髯文字のほかには、ゐない。
必死に抱きあったままのふたりが
うへになり、したになり、ころがって
はてしもしらず辷りこんでいった傾斜を、そのゆくはてを
落毛が、はなれて眺めてゐた。
やがてはほどかねばならぬ手や、足が
糸すぢほどのすきまもあらせじと、抱きしめてみても
なほはなればなれなこころゆゑに
一層はげしく抱かねばならなかった、この顛末を。
落雷で崩れた宮観のやうな
虚空に消えのこる、僕らのむなしい像。
僕も
君も
たがひに追い、もつれるようにして、ゐなくなったあとで、
落毛よ、君からぬけ落ちたばかりに
君の人生よりも、はるばるとあとまで生きながらへるであらう。それは
しをりにしてはさんで、僕が忘れたままの
黙示録のなかごろの頁のかげに。
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